
- 宮入 その1

- 宮入 その2
高温注意報が出された猛暑を吹き飛ばすような熱気にあふれた大山街道神輿渡御(とぎょ)だった。
区民祭で神輿渡御があるのは珍しいことと思い、第39回高津区民祭にでかけた。
高津区民祭の初回は大山街道沿いの盆踊りだった。2回目には「高津連合」という神輿連帯が区内の神輿を集め、大山街道の渡御を企画した。これが区民祭の最大の見せ場に成長した。区民祭立ち上げは「高津青年会議」。市内初の区民祭だった。現在では青年会議のメンバーも減り、そのOB達が「実行委員」として大活躍している。みこしの担ぎ手も50歳以上が半数を占め、シニアパワーが祭りを支えている。
神輿は全部で8基。下作延・久本・坂戸・久地・諏訪・北見方・二子・溝口の各町は1基100人の担ぎ手と、出発地である「高津スポーツセンター」に集結。8基の神輿は鳳凰を頂きにして、すでに全基が「御霊入」(みたまいれ)の神事をすませていた。
午後3時にスタートして二子新地駅前から大山街道に出る。神輿の担ぎ方は荒々しく揺らしたり神輿同士をぶつけ合ったりすることなく、平担ぎで進んだ。
「8基の神輿を動かすには高津区の住民ではとてもむり。いろいろな神輿会に声をかけている」と神輿連の長老は語る。
「ワッショイ」、「オイサ」、「ソイヤ」、「オイヤ」などの掛け声をかけて担いでいるが、唱和されているわけではない。それぞれの神輿連の掛け声がにぎやかに聞こえてくる。
神輿はおよそ2㎞を練り歩き、午後5時30分ごろ溝口神社付近に到着。いったん小休止した後、いよいよ宮入り。本社の溝口の神輿から順に宮入りをして8基が一斉におこなう境内での神輿の「もみ」は圧巻。「もみ」はなかなか終わらない。「高津連合」会長:太田文雄氏の「後でもう一度もみの時間を取る」の声で収まり、会長の一本締めで宮入りは終わった。いよいよ再度の「もみ」。8基の神輿を一斉に挙げ「もみ」が始まった。担ぎ手がかわるがわる行う「もみ」はなかなか終わらない。終わらない「もみ」に会長が「
収めろっ」と最後に一喝!やっと神輿を下ろした。観客を交えて境内およそ1000人の三三七拍子の手締めで神輿渡御は無事終午後6時30分頃。
境内を埋め尽くした観客からは「宮入を初めて見た」、「すごいね」という声があちこちで聞こえた。
神輿は迎えのトラックにのせられて各町会の納庫に帰って行った。
高津区民祭は昨年震災の影響で中止を余儀なくされたが今年復活した。
パレードはオープニング・音楽・バラエティー・お神輿・万灯と続く。他に12ヶ所で催し物が行われた。例年18万人以上の人が参加するが、今年は猛暑にも関わらず例年を上回る盛況のようだ。陸前高田応援コーナーではマスコット「たかたのゆめちゃん」も登場。午後7時過ぎに全てのイベントが終了となった。
取材同伴者:石渡 一美