かわさきにも毎年ロボットたちが集まる。それは、バトルロボットの競技大会で、今年で19回を数える。神奈川・東京を中心に全国から254チームの強豪が集まって二日間戦う。市と財団が総合技術的なロボット製作技術を通じ、若手技術者の育成につなげようと毎年夏休みの終わるこの時期に開催している。
会場は、高校生、大学生、学生OBや会社のメンバーで色めき立っていた。使用できるロボットは自作で、使われるモーターやラジコンには公平を規するための機種制限があり、たて70㎝、よこ25㎝、奥行き35㎝、重量3.5kgを車検と称して毎回測定される。まさにボクシングの試合前の計量だ。
無線操縦のクリスタルチップを受取ってから試合に挑む。
一日目は予選で、一本勝負で三回戦まで、それに負けたチームは敗者復活戦を行い、48チームに絞られた。予選トーナメント戦に勝ち残ったチームが翌日3本勝負で三回戦まで戦う、そこはものすごいロボットの戦いの場であり、まさに真剣ガチンコ勝負。スタートからつまずく者、地団駄を踏んで動けなくなるもの、見掛け倒しで自分から落ちてゆくもの、背後から廻って相手をひっくり返す者、何回ひっくり返っても起き上がるもの、けむりで退場するもの、様々である。
残った三チームの総当り戦で今年の最強ロボットが決まる。決勝は、今年から変更したリングの山高を意識してか、横から攻めるザリガニ状のアームを持つ「鎬(しのぎ)号」と、強固、堅牢で鋭い回転板を持つ「まだ出来てない号」の壮烈な戦いで、相手のはらわたをえぐるが如く伝送部をもぎ取った「まだ出来てないの号」が勝った。それはすごい戦だった。これで彼らの夏が終わった。
競技後、協賛企業のミニ見本市が関連する技術・商品の展示を見た。市場価格より安価とあって、ロボット作成マニアが部品などを買い求めていた。
◎次回のかわさきロボット競技大会(第20回)
開催・共催; 川崎市・川崎市産業振興財団
開催日 ; 平成25年8月24日25日 川崎市産業振興会館
川崎市幸区堀川町66-20
交通 ; JR川崎駅から徒歩約8分 京急川崎駅から徒歩約7分
優勝した堅牢の「まだ出来てないの号」
声援でにぎ合う会場風景
賑あう協賛企業のミニ見本市
約30年後、シニアの仲間入りする若者のものつくり基盤技術を支える創造性の富んだ若者の祭典のかわさきロボット大会、ずうっと陰ながら声援して行こうと思いました。